ひとりごと

ずっと先にいる人

こんばんは、三日月です。

里子作業をしていると、ずっと前に交流のあった趣味仲間さんとの思い出の品などが、時々出てきます。

お針子さんが多いのですが、ある方から貰ったお洋服がずっとずっと、今でもお手本みたいになってます。

本当にほとんどないって言っていいくらいの縫い代で丁寧に始末されたお洋服は、お人形のお洋服として負担にならない全くシルエットに影響してなくて。

薄い生地なのに魔法でも使ったんじゃないか?と思うようなピッタリでしっかりな下着や、無駄が無く簡素に見えてすごい技術が織り込まれている何気ないトップス。

人間のお洋服をそのまま人形サイズにしたんじゃないか?と思えるような、手のこんだスカート。

全部シンプルなアイテムで、派手さは一切ないけど目が離せない一式で。

そのお洋服を入手してから20年以上経過してますが、私はまだその足元にも及ばない。

キャッスルで、その方のお名前がついたお洋服が販売されたのを知った時、販売されてから随分経過していました。

お人形趣味から少し距離を置いていた私は全く知らなかったので、あわてて彼女にメールしましたっけ。

嬉しくてびっくりして、感激したとかなんとか、そんな内容のメール。

そんなよくわかんない一方的なメール、時間差で受け取っても微妙だったと思うのに、丁寧なお返事をもらったんだよなぁ……。

その後震災とかあって、彼女が当時住んでいたであろう場所は被災地だったので。

被災者名簿的なものを、当時はずっと探していました。

お名前が特別珍しいとかではなく、可愛らしいお名前だったので、同姓同名を見つけたらどうしようかと、毎晩毎晩遅くまで検索かけて。

被災者名簿に名前が無いのは、無事だということだ。

何度も言い聞かせて。

ある時、どなたかのドールイベントのレポをされているブログ記事を読んで、そこに彼女のブースがあったのを確認しまして。

PCモニタの前で彼女の無事を知って、安堵の涙が流れたのを今でもしっかり覚えています。

それからは彼女を探すことをやめて、最近になって里子作業で彼女の服に触れ。

その精緻な針仕事に改めて感心したのでした。

お会いしたことはない、ネット上のみのお友達でしたが、とても素敵な人。

素敵な人だから、こんなに素敵で素晴らしい服が作れるのね。

彼女はずっと私のお手本。

ずっと先にいる人。

その服作りを、ずっとずっと後から追いかける。

 

お元気ですか?

 

☆ここまで読んでくださり、どうもありがとうございました☆